もちろん身体が不自由になっても、どうしても行ってみたい場所があります。
今回は「ユニバーサル情報」というより「バリアフル情報」です。
(バリアフルとは、バリアフリーではなくバリアがフル、障壁が一杯という意味で、これも和製英語です)
長年の熱い思いいれで、京都に用があったついでに東寺に立体曼荼羅を見に行きました。今のご時世、しかも国宝と言われる観光名所、世界各国からもたくさんの観光客も来るはずで、車椅子でも大丈夫だろうという甘い考えで、何の調査もせずいきなりの訪問。
(*写真1、写真2はクリックすると拡大表示されます。)

まず立体曼荼羅が建立された建物は地面より上に建っており、そこを上がらなくてはと車椅子で四方を回ると・・・・ありました!お約束のスロープ発見!(写真1↑)しかし、このスロープはオープンではなくバーがあり、一々バーを取らなければ使えません。(以前京都の美術館に行った際もこのバーがスロープ前に設置され、スロープ利用する人は障害者手帳を見せてくれと言われました。
何で一々スロープ利用するのに手帳提示しなきゃいけないのか問いただしたら、入場料を割引しますとのこと。割り引きは有難いですが、この発想もいかがなものか?)しかしそんなことにメゲテはいけません。何せ「立体曼荼羅ですよ~、立体曼荼羅~」

さあ、スロープを上がって正面入口まで回ると、な、な、なんと又階段でどこにもスロープがありません。(写真2↑)
しかも介助者に中を覗いてもらうと、一旦入口の段差を上がったら、同じ階段でそれを又降りていくんだそうです。しかもこのステップ通常よりは幅は広いんですが、それでもステッピングレバーを踏んで一段上がっても車椅子全体が乗れるステップの長さがありません。色々トライしてみたもののどうやっても車椅子で中に入ることが不可能ということが判明して、諦めかけ帰ろうとしたその時、東寺のスタッフらしき僧が近づいて来られました。
スタッフ僧「見学されますか?」、私「はい、どうしても見たいんですが」と言いますと、正面入口ではなく側面に回って、壁面下段にあるめちゃくちゃ大きな木製の引き戸を上げてくださり、車椅子から下から上を覗く形で少しだけですが立体曼荼羅を見学することができました。でも全体像があんまり分からず、暗い室内を体をかがめて見る訳ですから明確なお姿までは・・・・ってことですごく残念でした。

京都など古来から伝承された神社仏閣でも、最近は車椅子で見学できたり、座禅も車椅子のままオーケーっていうお寺もあります。身障者トイレも用意されているところも多くなりました。でもその多くは、古くからの由緒ある建物ゆえにバリアフリーのための手を加えられない難しさってあるのでしょうね。 いずれにせよ健常者と同じように見れなくても入場料は割り引きナシ。それなら同等の権利を与えて欲しいよなぁ~ってブツブツ言いつつも背中を丸め岐路に着きました。